死臭漂う死海の果てに、さらわれたリンの救出に向かうケンシロウ。
過酷な運命は、ケンシロウを新たなる修羅の荒野へといざない、再び地獄の戦いが始まる!

世紀末救世主伝説 北斗の拳2




第127話 (Chapter127)
羅将ハン!
お前は白き雪も紅に染める男!!

放映日  1987/08/20
演出  石田昌久
脚本  戸田博史
作画監督  青井清年
美術  松本 大




第127話 前半 (A part)


ハチマキ子分
「赤鯱様、お迎えに来やしたぜ」


胸に刺青のある子分
「ここにいたら何時修羅どもが来るかわからねぇッスよ!」


子分さん達の必死の説得が続いておりますが…
赤鯱
「シャチよぅ!
今日も帰ってこねぇのか…」


全く話を聞いちゃいねぇ!
困った親バカ父さんですね。
胸に刺青のある子分
「さぁさぁ!早いとこズラかりましょうよ!」


赤鯱
(…ギロリ)

胸に刺青のあった子分
「ひぃ!?」


ガンつけで子分たちを威嚇するお父さん。
ちょっとばかり脅かし過ぎですよ。
ビックリした反動で子分さんの胸の刺青が消えちゃったじゃないですか!

…描き忘れ?
何のことやらさっぱりです。
赤鯱
「俺はアイツと約束したんだ。
あの澄んだ鋭い目を持つ男とよ。
俺はここで待つ!
例えこのまま白骨となろうともな」


お父さんは即身仏になる覚悟で息子の帰りを待つようです。
もはや説得は無理でしょう。
親心子知らず。
息子シャチは天帝の子リンとのデートを楽しんでおりました。

シャチ
「あれだ。
あれがこの国を支配する羅将の一人、ハンの居城だ」


デートコースにお城を選択したシャチ。
ロマンチックな雰囲気が乙女心を揺さぶる事間違いなし!
…多分。
シャチ
(この女は強い。
強いが哀しい目をしている。
恐らくケンシロウはこの女を見捨てる事は出来ぬはず。
あの時の俺がそうだったように…)


どうやらシャチは、リンの姿に元カノの姿を重ねているようです。
と言うワケで、回想シーンにGO!
シャチ
「負傷してこの国に置き去りにされた俺を助けてくれてありがとう」


爺さん
「いやいや」


シャチ
「この感謝の気持ちは言葉では到底言い表せない」
シャチ
「だが俺は帰らねばならぬ。
俺の親父が…この海の向こうで待っている!」


爺さん
「…で、レイアには何と?」
シャチ
「レイアには何も話してない。
黙って行くつもりです」


爺さん
「私はまたてっきりレイアも知っていると思っておった」
シャチ
「えっ!? どういうこと?」


爺さん
「この船は…アンタが乗っているこの船はレイアが作ったのじゃよ」


シャチ
「なんですとーーー!?」
爺さん
「この国は鎖国が掟。
入るも出るも許されぬ。
それを承知でレイアはこの船を…」


シャチ
「それでレイアの手はあんなに…」
爺さん
「この船を作る為に血豆まで作ってのぉ…。
アンタがいつか国へ帰ると思っていたのじゃろう。
自分からこの船を作ると言い出しての」


シャチ
「ひょっとしてその傷も…?」


爺さん
「バレちゃった!
ワシもちょいと手伝いましたかのぉ…フォッフォッ」
爺さんとのトークタイムを終了し大海原へ旅立つシャチ。
その視界の中に、こっちに向かって手を振るラブリーチャーミーな人影が入ってきました。

シャチ
「あれは…」
シャチ
「レイア!」


手には物々しくバンテージが…いえ、痛々しく包帯が巻かれていました。
シャチ
「レイア…。
親父…俺を待っている親父よ…俺は…俺は…どうすれば!」


あんな姿を見せられては燃える恋愛魂を抑える事は出来ません。
レイア
「さようならシャチ…。
シャチ、私の分まで生きて!」


泣いちゃうレイアでしたが…
パシャ、パシャ。
謎の音がこちらに接近してきます。

レイア
「はっ!?」


背後に何かいる!?
シャチ
「レイアーーー!!」


何とシャチがこちらに向かって猛ダッシュしてきます。
てか、水の上を走ってきてます。
愛パワーが奇跡を起こした瞬間を垣間見ることが出来ました。
シャチ
「レイアァ嗚呼!!」


レイア
「シャチィイイ!!」


そしてハシッ!と抱き合った二人は、毎度お馴染みとなりつつあるラブラブタイムを楽しむのでした。
アツいぜぇ、アツくて死にそうだぜぇ。

シャチ
「親父、俺はやっぱりレイアを捨てられない!」


以上回想終わり。
シャチ
「俺はこの国に留まった。
勝つ事が全ての修羅の国。
ならば俺は闘いの鬼にならねばならぬ。
神をも食らう鬼に!」
その頃、羅将ハンはボードゲームの『チェス』を堪能しておりました。

ハン
「フム、クイーンをビショップの6へチェック」


管理人はチェスを全く知らないので何を言っているのかはよくわかりませんが、とにかくハン様は知性的なナイスミドルである事は何となく分かった様な、そんは1シーンですね。
ネーちゃん
「ハン様、お飲み物を」


ハン
「ウム」
ものごっつ鋭い目つきでハンの挙動を見守るネーちゃん。

ネーちゃん
(飲め!飲んでしまえ!)


どうやら飲み物の中に何か入れてるみたいですね。
牛乳雑巾の絞り汁とか入れてるんでしょうか。
アレ飲んじゃったら明日は朝からゲッソリする事間違いなしですよ。
ですが、知性的なハン様はそのままゴックンせずにまずはお犬様で毒見をするのでした。
お犬様
「ペロペロ」
お犬様
「ぐえっ!」


飲んだ直後にノックアウトされちゃったお犬様。
牛乳雑巾の力恐るべし!
しかし、そんな危険極まりない殺人ドリンクを何とハン様は一気飲みしてしまいます。

お付のボロ
「おぉっ!?」


突拍子も無い行動にボロの方も超ビックリ!
ビックリしすぎたせいか、思わず寄り目になってしまうのであった。
ハン
「フォーーー!」


この人、目が光るギミックを搭載してますね。
ハン
「不味い!もう一杯!」


ネーちゃん
「は…はぁ」


おかわりを要求するハン。
意外にも病みつきとなる味だった模様です。
ネーちゃん達はここで退場です。
入れ替わりにリンがやってきました。
お付のボロ
「ハン様、ボロが一匹美しい女を献上したいと来ておりますが」


ハン
「ウム」
お付のボロ
「これ、羅将ハン様にご挨拶せよ」


ボロシャチ
「ははー。
とびっきりの女を見つけましたので、是非羅将ハン様に」
ハン
「ほう…」


興味津々でリンを見つめる羅将ハン。
グアテマラの国旗みたいな構図がちょっちだけ気になりますが、この続きは後半へ持ち越しです。
その頃、ケンシロウは車に乗った修羅に絡まれていました。
車に付いている初心者マークが思いっきり不安を煽ります。
免許取立てでしょうか、この修羅の方。

初心者マーク修羅
「おーい!止まれ!
止まるんだー!
貴様!聞こえんのか!」
初心者マーク修羅
「死ねー!」


ベロ出しながらケンシロウに特攻してきました。
喉チンコまで丸出しにして…サービス精神旺盛な修羅さんですね。
ジャンプで簡単に回避されちゃいました。
標的を失った目前に迫り来るのは高い崖。

これは死亡フラグが立っちゃいましたね。
初心者マーク修羅
「ほんげぇ!?」


車は大破しましたが、緊急脱出装置が発動したのか本体はなんとか無事の模様です。
初心者マーク修羅
「うがはっ!」

地面に頭がめり込みました。

こういう漫画的表現はいつみても良いものです。
初心者マーク修羅
「ぺっ!ぺっ!
あの野郎!どこ行きやがった?」


口に入った砂を吐き出す初心者マーク修羅さん。
彼らはトゥーンなので地面に頭がめり込む位ではどうという事はありません。

ケンシロウ
「ここだ」


背後に忍び寄るのはご存知あの男…。
初心者マーク修羅
「貴様何しやがる!
俺はこの地域を治める修羅だぞぅ!」


どうやらこの方、原作の「ないアル修羅」に該当する人物みたいですね。

ケンシロウ
「ならば知っていよう。
羅将ハンの居城はどこだ?」
初心者マーク
「ヘン!偉そうに!
知ってても教えてやるもんか!」


「やるもんか!」なんて可愛い言い回しを使ってますが、剣をデタラメに振り回しながら近づいてくるその姿もこれまたキュートで素敵です。

…ミニスカ&赤ビキニなファッションだけは頂けませんが。
CM直前なので戦闘シーンは全カット!
ビバッ!瞬殺!

ケンシロウ
「思い出したか、ハンはどこだ?」


初心者マーク修羅
「し…知らん」
ケンシロウ
「そうか」


初心者マーク修羅
「ぴぎゃああぁ!?」


原作と違い、尋問シーンは電気ショックのみとマイルドになっております。
小さなお子様も見てますしね。

ケンシロウ
「秘孔『頭顳
』(ずしょう)を突いた。
お前が語らずとも、お前の体がハンの居城を示す」


初心者マーク修羅
「なんだぁ…!」


初心者マーク修羅さんの意思とは無関係に、体が指差し確認し始めました。

ついでに変なポージングのまま固定させてるのは完全にケンシロウの悪ふざけです。

ケンシロウ
「あれか」
教えてもらった礼も言わずにその場から立ち去ろうとするケンシロウ。

初心者マーク修羅
「おい!俺はどうなるんだ!?」


妙ちくりんなポージングのまま固定された初心者マーク修羅さんは、今後の人生を不安がりますが…
そのまま爆死したのでその不安も綺麗さっぱりなくなりました。

…道徳的にいいのかコレで?と納得のいかないままCMに突入です。
ケンシロウ
「ぬぁあああああ!」


効果音
「しゃきーーーん!」




第127話 後半 (B part)

羅将ハンとの邂逅を果たしたシャチ&リンですが…
ハン
「ボロを装って俺に近づくとは考えたな」


チェス駒を二つ手に取ったハンは、それをボロシャチ目掛けて投擲しました。
ボロシャチ
「やはり読まれていたか」


投擲されたチェス駒を見事に受け止め、そのまま投げ返すボロシャチ。

ハン
「ほう…これは北斗琉拳
双背逆葬(そうはいぎゃくそう)」

北斗琉拳版の二指真空把みたいな技ですな。
ハン
「貴様この技をどこで盗んだ?」


ボロシャチ
「フッフッフ、俺の名はシャチ。
貴様の首を貰いにきたぜ!」
シャチ
「死ねぇえい!!」


原理不明の謎のファイアーボールを連発するシャチ。
超能力バトルになっちゃっいました。

先週までの読み合い重視な流れはどこに行ってしまったのでしょうか。
満を持して放たれたファイアーボールですが、ハンにはカスリHITもしませんでした。

残念!
ファイアーボールをかわされたシャチは右ストレートで突進…するもこれまた見事にかわされます。

腕組みしながらバク転と言う変なポージングで回避するハン。
これが格の違いと言う奴でしょうか。
シャチ
「ぐはぁ!」


すれ違い様に疾風の拳を叩き込まれていた模様です。
あまりの痛さに悶絶するシャチの図です。

どうです?痛そうでしょう?
ハン
「他愛も無い」


先週まで強キャラだったシャチを瞬殺!
羅将の壁はとてつもなく高いですな。
やられキャラに降格しちゃったシャチですが、実はまだ生きてました。

シャチ
「さすが羅将ハン、やはり見えぬわ。
これが無ければ命はなかった」


胸に鉄板を仕込んでハンの攻撃を凌いだのですね。
頭攻撃されたら潰れたトマトで死亡でしたが、それを全部胸で受けたシャチは受身プロだと言えるでしょう。
シャチとハンが喧嘩していた頃…

ハンの部下達
「侵入者だー!」


侵入者を迎撃すべく出動する部下の方々。
ですが、そんな部下達の間を一つの影が猛スピードで突き抜けていきました。
そして一気に全滅!

勢いに乗った主人公を止める事はもう出来ません。
ハン
「こざかしき奴よ。
我が拳は疾風、あまりの速さ故いまだかつて誰も我が拳の影すら見た者はおらん」


この人、自分の技紹介がホントに好きですな。
シャチ
「やはり貴様の拳を見切るには捨て駒が必要だな。
貴様にこの女をくれてやる」


ハン
「何?」


シャチ
「この女がいずれ貴様に死を呼ぶ事になろう」
シャチ
「ってことでバイバイキーン!」


シャチはいまだかつて無い程のスピードで走り去ってしまいましたとさ。
ハン
「フン、どういうことだ?」


リン
「もうすぐ貴方が倒されるという事でしょう」


ハン
「フハハハハッ!
そうか、無敵不敗の北斗琉拳、このハンが倒されるというのか。
しかし嘘とは言っても興味深い女よ」


ドサクサにまぎれてリンにチューしようとするハン。
今度ばかりはリンも本当に嫌そうな顔してます。
ケンシロウ
「その女の言葉に嘘は無い」


ハン
「ぬっ…!?」
振り返ると奴がいました。
ケンシロウ
「チェックだ!
お前には命を投げるしか他に手は無い」


あらま、ケンシロウってチェスが出来たんですか?
こりゃ今までの筋肉馬鹿的なイメージをちょっちだけ修正しないといけませんね。
その頃、絶好調で逃走中のシャチはと言えば…

シャチ
「今に見ておれハン、すぐに地獄の使者を導いてくれるわ!」


負け惜しみっぽく聞こえるのはきっと気のせいでしょう。
走ってるうちに大量殺人現場に足を踏み入れてしまいました。

シャチ
「なんだこれは!?
人が…人が死んでんねんで!?」
シャチ
「おい、しっかりしろ!
何があったんだ?」


大量殺人目撃修羅
「なんだったんだ…あの影は。
ハ…ハン様に報告しなくては」


現場検証を開始するシャチですが、どうもその声が彼には届いていない様です。
部隊は再び玉座の間へ。

ケンシロウ
「リン、迎えにきたぞ」
ハン
「駄目だな、この俺を倒さねばこの女は渡せん」


ケンシロウ
「なぜだ?戦う必要はあるまい」


つい先程「お前には命を投げるしか他に手は無い」とか喧嘩売っておきながら、今頃になって戦闘回避しようとするケンシロウ。
ちょっと言動に一貫性がないような気もします。
ハン
「貴様が強い男だからだ」


ヤバイです!
台詞もそうですが、それにも増してこの構図、すんげぇホモっぽい!
これはケンシロウの貞操が大ピンチの予感ですよ。
そんなウホッ!な雰囲気の中、先程の大量殺人目撃修羅が報告にやってきました。

大量殺人目撃修羅
「ハン様…怪しい影が…」
ハン
「む…お前その顔はどうした?」


大量殺人目撃修羅
「えっ?」
大量殺人目撃修羅
「うおっ!」


剣を鏡代わりにして自分の顔面チェックする大量殺人目撃修羅さん。
身だしなみチェックは男の基本です。
そこに映っていたのは今までに見た事もないような珍妙なクリーチャーの顔でした。

大量殺人目撃修羅
「なんだコイツ!?
俺を睨んでるぅ!
おい!俺を睨むな!!」


ハン
「おまえだよ」


冷静なツッコミがイカしてます。
大量殺人目撃修羅
「そんな馬鹿な!
俺の顔はこんなに崩れてないぜあッぷぁーー!?」


惨劇の唯一の目撃者が爆死し事件の真相は闇の中へ…
ハン
「この拳は北斗…」


ケンシロウ
「そう、北斗神拳!」


ハン
「何!北斗神拳!!」


ケンシロウ
「知っているのか」


ハン
「同じ北斗の名を持つ拳、知らぬはずはあるまい」
ハン
「よかろう!
久しぶりに退屈から開放されそうだわ!」


そう言うとハンは超巨大な扉を開けゴマするのでした。
ハン
「来い!
せめて敬意を表して天の下で眠らせてやるわ!」


バトルステージへ移行しますよ。
ここがハン自慢の屋外闘技場です。
中々にゴージャスな作りですね。

まぁ多分、二人の戦いで半壊しちゃいそうな予感がしますが…。
シャチ
「フッフッフ、ケンシロウがこんなにも早く姿を現すとは」


扉の影からこっそりコンニチワ!なシャチさんの図です。

シャチ
「全ては俺の思惑通り!」


結果オーライで良かったですね。
リン
「シャチ!やはりケンは来たでしょう」


シャチ
「うん」
リン
「あ…雪」


水不足を解消する恵みの雪が降ってきました。

シャチ
「フッ、雪か。
この国では白い雪もすぐ血の色に変わる」


一瞬でトマトソースにチェンジするとは恐るべし修羅の国!
ハン
「雪か…貴様の血を誘っておるわ」


ケンシロウ
「そうかな?」
ハン
「こちらから行くぞ!」


ハンが先制攻撃を仕掛けてきたゾッ!
超スピードで繰り出されるミサイルキック!

ハン
「これが北斗琉拳
疾火煌陣!!(しっかこうじん)」

あんまり目に優しくなさそうな効果を発しながらケンシロウを襲います。
ケンシロウ
「ぬぅわぁっ!?」


うめき声をあげるケンシロウですが、見た感じそんなたいしたダメージでもなさげですね。
ハン
「我が疾風の拳に驚いたか!
少しは骨のある奴だと思ったが、やはりお前も俺の敵ではない。
少しも退屈から開放してくれぬ」


ケンシロウ
「それはどうかな?」
ハン
「フン、何を言うか貴様…アレ?」


ハン様、手から出血してますよ。

ケンシロウ
「お前の間合いは俺の間合いでもある。
貴様も俺の拳が見えぬらしいな」


ハン
「……………」
ケンシロウ
「ぬあああぁぁぁぁ!!!!」


大一番を前に気合を入れるケンシロウ。
いつもの様に上半身の服をブチ破る大道芸を披露しました。
ハン
「ハッハッハ!」


あ、大道芸がハンの笑いのツボに入ったみたいですね。

ハン
「嬉しくて肌が粟立つわ!
この世に命のやりとり程面白いゲームは無い」
ハン
「互いに五分と五分。
引き分けはない!」


遂に始まる北斗の流派を賭けた闘い。
北斗2史上最高のバトルは次週を待て!




次回予告 (Next)


かつて世紀末の大地を震わした一人の男。
その伝説が今蘇る。

次回『北斗の拳2』、
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