北斗宿命の二兄弟、ラオウとトキ。
剛と柔、高ぶる両雄の闘志。
二人の宿命の戦いの幕は切って落とされた。




第72話 (Chapter072)
さらばトキ!
男の涙は一度だけ!!

放映日  1986/04/17
演出  石田昌久
脚本  大橋志吉
作画監督  直井正博
美術  市谷正夫




第72話 前半 (A part)


先週から引き続き、天上兄弟ゲンカの図が展開されております。
ラオウ&トキのお墓(予定)の上に降り立つ二匹のカラスさん達が、そこはかとなく不吉な予感を演出してますね。
トキ
「はぉおおおっ!!」

ラオウ
「万人の為に生きた男トキ!
その男が今はじめて己の願望の為に戦う気になった…。
よかろう、見事この兄を超え!
この拳王の野望を砕いてみるがいい!!
見せてもらおう!お前の剛の拳!!!」
ケンシロウ
「剛と剛…。
いくら宿命とは言え、どれほど激烈な戦いが…!」


♪パワーのぶつかり合いに 揺れる武闘会場〜
トキ
「せめて、奥義で葬ろう!ラオウ!!」


スーパー独歩ちゃんばりの天地上下の構えを取るトキ。
この構えから、一体如何なる奥義が繰り出されるのでしょうか?
何と足からパワーウェイブが発射されましたゾッ!?
パワーウェイブがラオウの足元にHITしました。

ラオウ
「ぬぉあぁっ!?」


ラオウをビックリさせる事には成功しましたが、ダメージ的には体力を1ドット削った程度に留まった模様です。
バット
「SUGEEEEEE!!」


ケンシロウ
北斗神拳奥義『闘剄呼法』
(とうけいこほう)!

剄は鋼、圧縮された闘力!
吸い込む気と共に体内に全闘力を蓄え、吐く気と共に一気に拳に集約する剛拳の呼法」


ケンシロウが何やら小難しい説明をしてますが、要約すると二酸化炭素を吐き出すと同時に拳にオーラパワーを集中する事によって、足から飛び道具が出せる様になったり、筋肉がパンプアップしたりと色々な特典がついてくるお得な呼吸法という事らしいです。
筋肉パンプアップの負荷に耐え切れず、毛細血管がいたる所でピュッピュッピューし始めました。
リン
「あ…血が…」


流血表現に耐性の無いリンは、トキの毛細血管ピュッピュッピューを見て失神してしまいます。

まぁ、基本的に今回のストーリーに絡んでこないチョイ役なので、ここでフェードアウトしても特に問題はありません。
剛拳同士が激突すると、この様な超かっこいいエフェクトが発生する模様です。

ラオウ
「どりゃー!!」


トキ
「はおぉー!!」
一瞬の隙をつき、トキはラオウにグレイブシュートを叩き込みました。
直撃を食らったラオウは、無防備のまま空中へ打ち上げられてしまいました。
トキ
「勝機!!」


今週の山場〜〜!!
トキ
「とぁああーーーっ!! あいきゃんふらーい!」

上空で空中遊泳に勤しんでいるラオウを追撃だ!

ケンシロウ
「トキは北斗二千年の中で最も華麗な技を持つ…。
空中戦こそ、その真髄!!」
トキ
「もらった!天翔百烈拳
(てんしょうひゃくれつけん)!!」

ラオウ
「ぬあぁっ!?」
ラオウ
「ううぅ…っ!」


血に膝をつき吐血するラオウ。
どうやら相当なダメージを貰っちゃったみたいですね。
トキ
「ラオウ…あの時、貴方が野望を捨てさえしていたら…。
ケンシロウが伝承者となったあの時…。
北斗神拳最強の男、我が兄ラオウ。
その野望さえなければ、私もケンシロウも伝承者の道を喜んで譲っていたものを…!」


トキの後ろに何やらおっかない顔したオィちゃんが見えますが、別に守護霊とか幽体波紋ではないですよ。
昔、北斗神拳を修行していた道場に設置してあった石像の一体です。

てなワケでここから回想シーンに突入します。
ラオウ
「さらばだ、トキ」


トキ
「どうしても…?」


ラオウ
「無論!
北斗神拳は一子相伝。
その伝承者がケンシロウと決まった今、俺がここにいる理由はない!」
ラオウ
「北斗神拳は第一歩にすぎぬ。
俺は天を握り、あらゆる拳法を手中におさめる!」


トキ
「ラオウ…貴方は間違っている!」


ラオウ
「何…?」


トキ
「約束を忘れましたか?」

ラオウ
「…覚えておる。
この拳を封じるのはお前だ!
いつでもこの拳を封じに来るがいい!」


トキ
「……」


以上、兄弟決別の瞬間でした。
トキ
「さらばラオウ!
今約束を果たそう!!」


ラオウ
「ぬうぅっ…!」


トキ
「とりゃーーっ!!」


ラオウにトドメを刺すために、渾身のジャン拳チョキを繰り出すトキ。
ラオウ
「ぬはーっ!!」


怪しく輝き光って唸る、トキのジャン拳チョキがラオウの胸板にHITしました。
バット
「あーーーーっと!トキがっ!?」


リン
「勝ったわ!!」


ゆで作品のアナウンス風に絶叫するバット。
何故かさりげなくリンが復帰してますが、特に気にすることなく次いってみよー!
ケンシロウ
「いや、死兆星はトキの頭上に…!」


満を持して繰り出したジャン拳チョキでしたが、オリバ並に固いラオウの胸板に遮られ、致命傷を与えることは叶わなかった模様です。
こりゃ無念!
ラオウ
「トキ…これが貴様の剛拳か?」
トキ
「はうぅっ…!?」


TOKI DIE SHOCK!!
どうにもこうにも どうにもならない そんなトキ。
トキ
「ネバーギブアップ!!」


チョキで駄目なら次はジャン拳パーで勝負してみる事にします。
ラオウ
「ぬぅっ!」


残念ながらナイスキャッチされちゃいました。
トキ
「ハァハァ…」


ラオウ
「き…効かぬ…」
ラオウ
「効かぬのだ…トキィ!」


あのラオウがいきなり漢泣きするという、予想だにしない展開に思わずビックリドッキリ!
トキ
「ぬぉあ!カンチョー!!」


まだ勝負を捨てていないトキは、困った時の↓+強Kで一発逆転を狙います。
ラオウ
「はしっ!」

しかし、文句のつけようがないくらい見事なシラハキャッチで受け止められ、トキの勝利の可能性は完全に費えてしまうのでした。

ラオウ
「効かぬのだトキ。
まだ気づかぬと思っているのか?
お前の剛拳の秘密を…。
病を得ず、柔の拳ならば俺に勝ったかもしれぬものを…あわれトキ…幼き頃より俺を追い続け、非情な宿命に生きてきた我が弟よ…。」
ラオウ
「さらばトキ!死兆星はお前の頭上に落ちる!!
ぬあああぁーーーーーっ!!!!」


漢泣きしながら剛マッハオラオラを繰り出すラオウ。
剛マッハオラオラがトキの肉体に叩き込まれていきます。

どうでもいい事ですが、トキがすんげぇハト胸なのが管理人的にちょっとだけ気になりました。

ラオウ
「あちゃーーー!!」


トドメのフィニッシュブローを放つラオウ。
ラオウ版の「あちゃー!」はとても気合が入ってていい感じですね。

トキ
「うぉあーーっ!?!」


フィニッシュあちゃー!を食らったトキは派手にフッ飛ばされてしまいました。

この続きはCMの後で!
ケンシロウ
「ほわちゃぁぁあああ!!」




第72話 後半 (B part)

ラオウの攻撃をモロに食らったトキはそのままダウンしてしまいました。
トキの墓
「ピシッ!」


いきなり亀裂が入るトキの墓(予定)。
原理は今イチ謎ですが、男塾の寿命蝋みたいな感じでトキとシンクロしているのやもしれません。
リン
「トキィ〜〜!」


こういう時はやっぱり女の子の黄色い声援ですよね!
トキ
「う…、まだ…っ!」


ようじょの声援パワーによって、トキは奇跡的にダウン復帰を果たします。
ラオウ
「ト…トキ!」


これには流石のラオウもアンビリーバボー!
トキ
「ラオウぉーーーーーっ!!!」


トキの魂の雄叫びが夜の山中に轟き叫びます。
ケンシロウ
「もはや戦える体ではない…トキ!」
トキ
「いやぁあああーーーーーっ!!」


最後もやはりこだわりのカンチョー(↓+強K)で神風特攻大逆転ビクトリーを目指してみましたが…

ラオウ
「……」

軸移動(→)でいとも簡単に回避されちゃいました。
ここまでくると、もはや何をしても無駄無駄な感じがして哀愁を誘います。

ラオウ
「効かぬのだ!こんな拳では俺には通用せん!!」


兄さんにチョークされる弟の図です。
頚動脈に入っててとても危険な体勢であると言えるでしょう。

ラオウ
「もういい…やめろトキ!」
ラオウ
「お前の剛拳の秘密はコレダー!」


金太、マスカット切るの要領でトキのズボンを切り裂きジャックするラオウ。
ズボンの下には謎の秘孔を突いた痕がありました。
コレは一体何なのでしょうか?
ケンシロウ
「やはり、刹活孔(セッカッコー)
を突いた後が…!」


バット
「そ…それは?」


ケンシロウ
「刹活孔を突けば一瞬の剛力を得られる。
しかし、同時に己の命さえ奪う非情の秘孔!
剛拳を得る為、トキは自分でその秘孔を…」


なるほど、一種のドーピング秘孔と言う訳ですね。
ラオウ
「トキ…お前はそうまでして剛の拳で俺を超えたかったのか…!
俺の拳を封じようとしたのか!!
徐々に弱りゆくお前の拳では俺は倒せぬ…それを見抜かれている事を知りながら、お前は…。」
ラオウ
「 トキ、お前の命を奪うのは俺ではなかった。
既に、病がお前の命を奪っていた!
有り余る才能がありながら、北斗の男が病如きに…!!」
トキ
「この病も逃れられない宿命の一つ。
ならば、全身で受け止め最後まで戦うのみ!」
ラオウ
「ト…トキ…!」


トキ
「何故泣くラオウ…涙をその剛拳と野望に変えた貴方が!!」
ここから再び回想シーンです。

二人が組み手を行っているシーンの様ですが…
ヤングラオウ
「ジョイヤーーーーー!!」


ヤングトキ
「はうっ!?」


えげつないゴールデンボール・クラッシュキック(しかもつま先付近)がトキの股間を直撃します。
洒落にもならない蹴りを躊躇なく叩き込む辺り、ラオウのシゴキはマジ半端ないですね。
ヤングトキ
「兄さん…股間は過激だョ!」


急所を強襲されたトキはその場にダウンし、そしてあまりの激痛に目から涙がとめどなく溢れてしまいます。
ヤングラオウ
「泣くな!二度と涙を流してはならぬ!!」


ヤングトキ
「兄さん…」


ヤングラオウ
「この兄を越えたくば涙を捨てろ!
涙は拳に無用!涙を己の望みと拳に変えるのだ!!」
ヤングラオウ
「俺はもう既に涙を捨てた。
この拳の為!そして天を掴む為に」


自分の将来設計をアツく語るラオウ。
バッチリカメラ目線でキメてるのが流石です。

でもトキの髪の毛掴んだままだと、明日辺りPTAからいじめ助長でクレームを入れられてしまうかもしれないので、なるべく早めに放してあげてくださいね。
以上、回想シーン終了。

ラオウ
「トキ、お前には分かっていたはずだ。
偽りの剛の拳ではこのラオウを倒せぬ事を…」
ラオウ
「だが、お前はあえて剛の拳を選んだ…。
あくまでもこの兄に近づかんが為に。
そこまで死期が迫った体でありながら…
トキ!その心が!幼き日のままの心が!
死を覚悟してなおかつまだこのラオウを目指そうとした心が…この俺の枯れた涙を呼び戻した!!」


語りを続けるラオウ。
それにしても尋常じゃない涙の量ですね。
軽い脱水症状になったりしないかちょっとだけ心配になってしまいますが、放映時間もあと少しなので多分大丈夫でしょう。
トキ
「もはや悔いはない…。
宿命の幕を閉じよ!ラオウ!!」
ラオウ
「ケンシロウ!よく見ていろ!
これが宿命…血を分けた兄弟が同じ拳の道に進み、唯一最強の拳士を目指した…それもこれまで!
この俺の拳で全ては終わる!!」
ラオウ
「トキ、これが俺が生涯で流す最後の涙となろう。
さらば、我が生涯最強の敵!
さらば、我が最愛の弟…」
ラオウ
「これが…
貴様が目指した兄ラオウの拳!
よく見て死ぬがよい!!」
トキ
「……」


名シーンに水を差すようで申し訳ないのですが、明らかにトキがラオウの拳をよく見てない件について。

思いっきり目をつぶってますしね。
ケンシロウ
「………!」


北斗神拳伝承者は見てしまった!
ラオウ
「ハァー、ハァー」


けっちゃーーーく!
ラオウの拳はトキの頭上をかすめただけでした。

トキ
「なぜ…?」
ラオウ
「この一撃は、お前の悲しき宿命への兄の恨みの一撃と思え…!」


トキ
「ラ…ラオウ…」
ラオウ
「今!拳王を目指した男トキは死んだ!
ここにいるのはただの病と闘う男トキ…。
残る余生、安らかに暮らすがよい」
ラオウ
「泣きたくば泣くがよい…もう責めはせぬ」


トキ
「…にいさん」
ラオウ
「体を厭えよ…トキ」


戦いが終わったので、ボチボチ帰宅の準備を始めますYO!
思い出の胴着を手に取るラオウ。
そして腹巻の中に大切に収納します。
どうやら、胴着は記念に持って帰る事にしたみたいですね。
ラオウ
「……」


ケンシロウ
「……」

アイコンタクトを取り合う兄弟の図。
ラオウはトキ戦で疲れているので、この二人の戦いは次回以降に持ち越しとなった模様です。
ラオウ
「トキは死んだ!そして俺も!」


ラオウは帰りがけにトキの墓を黒王に破壊させました。

その意図はよくわかりませんが、もう兄弟のお墓は必要ないという事なんでしょう、多分。
そして自分の墓も蹴っ飛ばします。

お墓の処理は全て終了しました。
次は見晴らしのいい崖の上に移動し、ケンシロウに声をかけてあげなくてはいけません。
放送時間が押しているので、急いで崖の上まで移動ししなければなりません。
今回のラオウは色々やる事があって超激務ですね。

とりあえず、ケンシロウを見下ろせるベストスポットに移動し、口上を開始する事にします。

ラオウ
「ケンシロウーーー!」
ラオウ
「拳王恐怖の伝説は今より始まる!
この命奪いたくば、いつでも来るがよい!!」


確実に命を奪うならラオウが疲れてる今戦いを挑むのがベストですが、そうするとヒーロー的にアレなので第四部最終章で頑張ることにしますね。
ケンシロウ
「ラオウ…」

ラオウとトキ、二人の兄弟ゲンカに決着がついた所で次回に続く。




次回予告 (Next)


荒野を駆ける蒼き狼よ。
その凍てつく瞳で、お前は世紀末に何を見るのか。

次回『北斗の拳』、
第73話 天狼星の男リュウガ! 俺は乱世に虹をつかむ!!
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